このFAQは、本標準の購入者を対象とし、想定されるお問い合わせについてまとめたものです。
なお、GEPC技術標準は、適用時の諸条件などを考慮して、購入された方の責任においてご活用ください。
制定の目的について
質問1
本指針を制定した目的は何ですか?
回答1
土壌・地下水汚染による環境リスク問題を合理的に解決するためのリスク評価手法とその活用によるメリットについて認知・普及を図り、土壌・地下水汚染対策の推進・発展に寄与することを目的としています。
法律との関係について
質問2
土壌汚染対策法との関係はどのように考えれば良いですか?
回答2
土壌汚染対策法(法)では、土壌汚染に対して、地下水経由(飲用)と直接摂取の観点から一律の基準値を定めてリスク管理を行うことを基本としています。
一方、サイトリスク評価では、一律の基準値を設けるのではなく、サイト毎に曝露と有害性の評価を行いリスク管理を行います。
土壌汚染の存在する土地で、法が適用されない場合や法では措置が求められない場合の対応の検討などに活用できると考えます。
リスク評価の活用について
質問3
リスク評価を活用することのメリットは何ですか。
回答3
サイトにおける土壌汚染の全ての曝露経路と汚染物質の有害性を評価します。そのため、現状から予想される健康リスクや、移動経路を考慮した曝露経路遮断などの対策の効果を定量的かつ客観的に示すことができ、透明性が高く合理的な対応が可能となります。
質問4
これまで国内でリスク評価が活用された事例はありますか?
回答4
豊洲新市場における土壌・地下水汚染対応に活用されています。地上での汚染空気経由の影響の評価や目標となる地下水汚染濃度の算定が行われています。
使用するモデルについて
質問5
SERAMは、どのようなモデルですか?
回答5
日本国内でのリスク評価を行うことを想定し、構築したモデルです。アメリカのRBCA、オランダのCSOILなど欧米のモデルを参考にしました。日本での使用を想定し、計算式やパラメーター等を検討しています。
適用範囲について
質問6
汚染源が複数ある場合や、複合汚染への対応はどのように考えますか?
回答6
汚染源が複数ある場合は、汚染源ごとに計算を行い、各階層の考え方に基づいて、その計算値を評価します。
複合汚染の場合には、各物質の相乗・相加・相殺効果等があり、それらの効果を考慮して評価する場合に対象となる物質の範囲をどうするかなど、リスク評価が困難と考えています。そのため、SERAMでは、単一の汚染物質について計算をそれぞれ行い、評価することとしています。
質問7
ダイオキシン類やPFASは対象とできますか?
回答7
ダイオキシン類は、複合物質であるため、総体としての物性値が得られず、リスク評価が困難と考えています。
PFASについても、さまざまなPFASの種類の総称であり、厚生労働省の水質管理目標設定においても、総体としての物性値が得られず、リスク評価が困難と考えています。
なお、個別物質としてとらえることのできるPFOSやPFOAは各種パラメーターの値を設定すればリスク評価が行えます。複合物質のリスク評価や新たな汚染物質のパラメーターデフォルト値の設定は今後の課題と考えます。
質問8
リスク評価の計算にあたり、対象地の面積、汚染源の大きさや深さの上限はありますか?
回答8
計算上、対象地や汚染の規模についての上限は設けていません。
使用するパラメーターについて
質問9
パラメーター設定の基本的な考え方を教えて下さい。
回答9
パラメーターデフォルト値については、日本の基準や条件に応じたものを準備しています。サイト固有のパラメータ以外で、デフォルト値のあるものはその値を使っていただくことを推奨しています。
質問10
土壌汚染の入力値である土壌全含有量は、どのような試験方法による値を用いればよいでしょうか?
回答10
土壌全含有量の測定について、現状、わが国では特に定められた測定方法は存在していません。「土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン」における自然由来による基準不適合土壌の判断方法、底質調査法、またISOや海外の方法を参考とすることが考えられます。測定対象物質の抽出率に留意して設定値の検討をお願いします。
今後の展開について
質問11
計算ツールを提供する予定はありますか?
回答11
現状でツール提供の予定はありませんが、要望が多いようであれば対応を検討いたします。