土壌汚染対策基金について
― さいたま市へ初の助成金交付決定 ―


斉藤照夫
財団法人 日本環境協会 
専務理事
斉藤 照夫
プロフィール
昭和24年 生まれ
岩手県出身
東京大学法学部卒
昭和48年 環境庁入庁
平成16年4月 より現職

  「土壌汚染対策基金」は、土壌汚染対策法に定める制度が円滑に動くように、政府からの補助金と政府以外の者からの出えんによって設置された基金です。本基金は、(財)日本環境協会が、平成14年に環境大臣から指定支援法人の指定を受け、管理・支援業務を行っています。この実施に当たりましては、(社)土壌環境センターをはじめ関係の皆様に多大のご協力を賜っており、深く感謝申し上げます。以下では、本基金により行っている三種類の支援業務についてご紹介します。

1. 助成金の交付業務
  基金は、特定有害物質による汚染地域として指定された区域(指定区域)において土壌汚染の回復措置を行わなければならない資力の乏しい土地所有者に対し、助成金を交付して支援します。この助成の実施スキームは、下図に示す通り、都道府県(市)を通じて行われます。
  昨年12月7日に、さいたま市西区指扇の指定区域につき、さいたま市からの交付申請を受けて、初めてとなる助成金の交付決定を行いました。基金からの助成額は、5,000万円(費用全体の約1/2)ですが、さいたま市が2,500万円を上乗せ助成しますので、土地所有者へは費用全体の約3/4に相当する7,500万円が助成されます。
  本指定区域については、周辺に住宅が密集しており掘削除去が困難であるため、原位置浄化による工法が予定されており、本年1月から工事計画策定に向け詳細調査が進められています。

2. 照会・助言等業務
  基金では、土地所有者等からの土壌汚染対策法に基づき実施する土壌汚染状況調査や汚染の除去等の措置に関する照会・相談を受け、専門相談員が回答や助言を行っています。平成18年度には、95件の照会・相談に対応しました。

3. リスクコミュニケーションの普及啓発業務
  基金では、土壌汚染の環境リスクについてのリスクコミュニケーションの一環として、普及啓発や事業者研修等を行っており、毎年、環境省及び(社)土壌環境センターとの共催により「土壌汚染対策セミナー」を各地で開催しています。また、普及啓発のためのパンフレットの作成・配布を行っています。

<本件に関するお問い合わせ>
財団法人日本環境協会 総務部土壌環境課
TEL:03-5114-1251